ヤマオダマキ |
【山 名】 赤岳(2899m)
【地 域】 八ヶ岳
【日 時】 1998年08月18〜20日
【メンバー】 山太 娘
【コ ー ス】 18日 美濃戸口→赤岳鉱泉
19日 赤岳鉱泉→地蔵尾根→赤岳→阿弥陀岳
→赤岳鉱泉
20日 赤岳鉱泉→美濃戸口
赤岳鉱泉アチチ事件
18日
美濃戸口に車を止めて、しばらくは林道を歩く。この道は一般車は通行止めじゃあなかったかなあ〜。時々、登山者らしい車に追い越される。まあいいか、今日の行程はしれている。
21才になる娘と山に登るのは初めてだ。ましてテント泊で八ヶ岳に登る事になるなんて、2つ上の姉の言葉を借りれば「何が悲して山に登るねん、信じられへん〜!。」
私はテントを担いで歩くのは一年ぶり。
「共同装備を分担すればいつもより軽い荷物で歩けるかも〜?。」
と思っていたがそれにしては重い。4キロほど増えたカメラ機材が原因だろう。
美濃戸赤岳山荘には広い駐車場があって、たくさんの車が止まっていた。あたりにはトリカブトやツリブネソウがたくさん咲いている。もう夏も終わりだ。
ガスに浮かぶ赤岳鉱泉
何度もザックをおろして写真を撮りながら登っているので、娘も疲れた様子は見えない。
トウヒの原生林は鬱蒼として見事な森だ。大台ヶ原も昔はこんな森だったんだろうなあ〜。
お花畑が広がって視界が開けたら赤岳鉱泉が見えてきた。のんびり歩いて4時間の行程だった。
ここから横岳や大同心が見えるはずだが、今はガスで見えない。
さあ風呂だ風呂だ〜ぃ。おっと、ここの風呂はテント泊は入れてもらえない時があるらしい。今日はOKだ。
ちょうど先の人が上がったところで誰もいない。二畳ほどの檜の風呂だ。熱いなあ〜、ドドドドッと水をうめて、「良い湯だわい!。」と首までつかりもたれる。
アッチッチッチチ!。ゴツン!。
ちょうどもたれた背中のところから湯が噴き出していた。メチャ熱い。思わず背中を引いて頭を思いっ切り湯舟の縁にぶつけてしまった。
背中がヒリヒリしてゆっくり風呂に浸かっている気分じゃない。参ったなあ〜。
赤岳鉱泉での失敗失敗の巻き!。
地蔵尾根から稜線へ、強風で動けない。 強風の稜線で動けないぃ〜
19日
昨日より少しは良い天気かな、一瞬稜線が見えたりもするがほとんど雲の中だ。
地蔵峠の登りはきつい。岩をよじ登るようなところもあるが、娘は恐がらずに登ってくれるので助かる。
だんだんガスが晴れてきて赤岳や三叉峰がちらちら見えるようになった。尾根に出た途端猛烈な風が吹き付けた。
「なに!これ〜・・・。」
娘は道標にしがみついたまま動けない。これから硫黄岳の方に縦走しようと思っていたが、この強風ではちょっとヤバイかな。
とりあえず赤岳山渓山荘に入り、気分を落ち着かす。私は赤岳には登っているのでここで引き返してもいいのだが、娘には赤岳のピークだけでも踏ませてやりたい。
横岳と赤岳山渓山荘
赤岳までは痩せ尾根ではないので慎重に登れば大丈夫だろう。家族連れや女性だけのパーティーも登っていくので勇気をつける。中学生らしい子供をザイルで確保しているお父さんも居た。
ストックでの三点支持を教え、「強風が吹いたらしばらく待てばおさまる。」と言ったがこれが間違い。風の通り道で強風は吹き続け、三点支持をしたまま動けなくなった。(^.^;;;
「おい!早うこっちぃ来い!。」と腕を引っ張る。
一瞬ではあるが富士山も見えて、写真を撮る余裕も出てきた。頂上近くになると風もそんなにきつくなくなり、見え隠れする頂上目指して慎重に登る。
頂上には2〜30人の登山者が休憩をしていた。隣ではホットケーキを作っている。「焦げくさいぞ〜!。」
富士山が見えた頃が一番晴れていたようで、だんだんガスが濃くなってきた。
阿弥陀岳方面に降りることにする。このルートも岩稜で結構急だが、風がなくなったのと、ガスで視界が限られているので高度感はない。
赤岳鉱泉より大同心を見る。 頂上コールは請求書
阿弥陀岳の登りも結構急だった。何年か前の5月に登っているのだが、そのときは積雪のせいか、こんなに急だとは感じなかった。
ガスで真っ白、数メートル先しか見えない。イワヒバリが間近までやってきた。おまえは天気が悪くなると出て来るんだから〜。
カメラを向けるが、きっちり友好的な距離を知ってやがる。
この頂上でやっと我が家と携帯電話がつながった。
「お母さん、今、阿弥陀岳の頂上!。\(^.^)/」
娘のうれしそうな声。向こうからの声は・・・・。
「修理代が14万もかかったぁ〜。」
お盆前に娘が車を電柱にぶつけた修理代が14万も付いてきたそうだ。こんなところで言うな!。(^^;)
阿弥陀岳を下った頃、雨になった。ナナカマドの実がきれいだ。トリカブトもたくさん咲いている。
今夜も赤岳鉱泉のテン場に連泊だ。娘は昼寝だが、私はセカセカとカメラをぶら下げて花を撮り歩く。あまり成果はなかったけど〜。
20日
最後のチャンスもむなしく、朝、外を見るとガスで真っ白だ。今日も稜線の写真は撮れなかった。
10時頃、美濃戸口に下山する。途中で一時晴れそうにもなったが、車にたどり着いた頃本降りの雨になった。
天気には恵まれませんでしたが、娘とのんびりとした山行を楽しんできました。
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