蛇谷から白山本峰へ



【日  程】1978年7月22日〜24日
【地  域】白山北部
【山  名】白山
【ルート 】蛇谷遡行→白山→室堂→別当出合
【メンバー】山太・他2名

●7月22日(土)雲りのち晴・朝少し小雨

朝4時半に金沢に着きました。
金沢から電車とバスに乗り継げば中宮温泉まで安く行けたのですが、時間が少し遅くなると中宮から親谷の湯まで4キロ程歩るかなければいけないので、奮発して金沢からタクシーに乗りました。

中宮からスーパー林道に入るのですが、ガッチリと門が閉され、それより車では入る事が出来ません。
開門は7時からです。まだ1時間も先です。
もし開いていても通行料2,500円バッチリ取られる事lこなるのです。ぶつぶつ言いながら歩き初めました。

小雨もバラついて来て今度の山行は出足が悪いなぁ〜なんて言いながら〜。
7時頃親谷の湯に着きました。
スーパー林道の工事中で訪れる人もなくなり,休憩所には蛇の抜け殻がいたる所にちらばっていて,何か不気味な感じがしました。
湯は湧き出ていましたがパイプが切断され、今は湯につかる事はできません。

一昨年の秋、このスーパー林道の工事のおかげでトラックに乗せてもらい、雨降る中を何の苦もなく三方岩に登れた恩も忘れて、「白山にこんな道をつけるなんてけしからんなあ。」とつぶやく私達でした。

谷に入ってしばらくは林道の下なので、鉄線やパイプやスコップなど、大きい物では自動車などが落ちていて、あまりいい気持はしませんでした。

1時間程で瓢箪谷出合に着きました。この谷の入ロはすごい廊下状になちています。オモ谷はしばらくU字型にくびれ、カール状になった個所がいくつもあった。
昔は大氷河でもあったのでしようか。

天気もよくなってきたし、雪渓も出て来て気持よく谷を進みました。
枝谷出合までは大した所もなく、淵を1〜2回巻いただけですんなり遡登れました。
出合で竿を出すと,何ともうイワナが釣れた。

3人共、そのあとは登る事より釣る事に一生懸命です。おかげで6尾収穫がありました。
室木さんが4尾。山森さんと僕が1尾づっ。まあ年期から言って妥当なところでしよう。

私はすごい大物をひっかけたのですが,あと少しという所で糸が切れてしまい「逃がした魚は大きい!」と悔やんでいると、そのあと室木さんがその魚を釣り上げてくれたのです。
約30cm位はあると思いました。
もう今日は大漁だし早じまい。
3時頃テントを張りました。
そうそう、枝谷出合とテント地の間10m位の滝がありましたが右岸にロープがありすぐ越せました。

テントの付近では1尾も釣れません。焚火の明りでイワナの石焼きをアテにチビリチビリと例によってやりました。
この3人がパーティを組めばいつも後悔する事。それは、もっと酒を持って来ればよかったなあ・・・と言う事です。

●23日(日)晴
今日も天気はいいし,順調に登りました。
途中で右のガケから石がバラバラ落ちてくるので見上げると、カモシカが僕達を見降ろしているのです。

9時半頃,少し大きな滝に出くわす。なんなく越せそうなので左岸の岩を登った。
すると、その奥にもっと大きな滝が見えたのです。両岸は大きなゴルジュとなって、大きく高巻しなければ越せそうもありません。

二段の滝は上から下まで50m位はあるでしょう。
ヤブこぎをさけて右側の草つきを登れる所まで登ってやぶに突込みました。
途中、ザイルでザッグを引上げていたのですが岩にザックがひっかかり、ザックのひもが切れてザックが落ちた。
下に居た私は必死になって飛びかかりザックをつかみました。あぶない所でした。もしつかまえられなければ100mは落ちていただろう。
高巻に3時間近くかかってやっと谷に降りる事ができました。

それから後は大した所もなく、やぶこぎもほんの申しわけ程度あっただけで、三俣峠の北側の鞍部に出ました。4時頃だったと思います。

鶯平の少し手前で間名古谷に少し降りた所で格好のテント地を見つけました。今日は疲れた。テント建設予定地にすわり込み、まず一杯。

●24日(月)晴
今日は2時までに白山本峰を越えて別当出合に着かなければなりません。3時半に起きました。
5時から行動です。登山道があるので、どうって事ないのですがぁ。
朝露がいっぱいでズボンも靴もビショビショ、沢歩るきの時よりももっとひどく濡れました。
9時頃御前峰に到着。私といたしましては、白山周辺に2年間登りつづけて,初めて本峰に来た、と言う事になります。
 そして又、名だたる山ほど、里の匂いがするなあなんて思いました。でも,北アルプスなんかよりか何か田舎くさくっていい感じでした。
10時半に室堂を出て1時に別当出合に着きました。さすが下界は暑いですねえ。

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