年一回のアルプス詣で。今年は天気抜群展望でした。
【日 時】1996年08月20日〜23日前夜発
【山 名】蝶ヶ岳・常念岳・燕岳・餓鬼岳・唐沢岳
【山 域】北アルプス
【天 候】晴れ
【メンバー】山太 単独
【コース 】上高地→長塀山→蝶ヶ岳→燕岳→餓鬼岳→唐沢岳→餓鬼岳→白沢登山口
【8月20日】
※上高地→長塀山→蝶ヶ岳
夜明、上高地にバスは着いた。しばらくベンチに座り、久しぶりに登山基地の情緒をゆっくり楽しみながら、出発する登山者を見送った。
環境委美化センターには我らの片山さんが居られるのだが、残念ながらまだシャッターが閉まっている。おみやげを持ってきたわけでもないので、外から拝んでおこう〜。
徳沢園これから登だ! 蝶ヶ岳より穂高の峰々
最近は軟弱になり、露営具一式を担いで歩くのは一年ぶりだ。ちょっと心配だったが、徳沢までの平坦な道は軽装の登山者と同じペースで歩けたので、少し気をよくする。
徳沢園からは尾根の登りに差し掛かる。樹林帯の暗い登りだ。これが噂の蝶の登りか〜。ストックを取り出して3本足で登る、重荷の時はこのストックは抜群の威力を発揮する。
途中で二回ほどザックを下ろして休憩したが、何かあっけなく長塀山に着いてしまった。やっと木々の間から槍が見えた。お久しぶり〜ね。
長塀山からはやっとアルプスらしくなり、お花畑と大展望だ。高山植物の案内は多聞さんがされていたので彼に任そう(^_^; 。当たり前だが槍ヶ岳や穂高連峰が地図通りに見える。
「キレットって結構、切れっとうなあ〜。」
何て感心したりして。
11時30分蝶ヶ岳に到着。頂上付近には誰も居ないのが不思議。セルフタイマーで記念写真を撮り展望を満喫する。デジカメでもホームページ用に一枚パチリ。
予定では今日はここまでであったが、ちょっと時間が早い。常念岳が結構近くに見える、ちょこっと歩けば行けそうだった。天気は午後から崩れる様子もなく風が気持ちがいい。「いっちょうヤルか!。」
※蝶ヶ岳→常念岳→常念乗越
蝶槍まで歩いてふと気付く。今日は常念まで歩くつもりはなかったので、あまり水を持っていない。蝶ヶ岳で補給しなくてはいけなかったのだ。(^_^;
蝶ヶ岳からは見えなかったのだが、結構アップダウンが有るんだわ。また下るの〜、とぼやきながら時間はどんどん過ぎていく。
ピークハンターにとって2,592m峰は良いピークなのに、地図に名前がないのが残念。
まだ3時だ、と思っていたがよく考えると、朝からもう9時間も歩いて居るんだ。疲れてきて当然。
常念岳の登りにはさすがにもう「体力の限界!ッ。」と言っておきながら、頂上から小屋まで「ビール!、ビール!。」と30分程で駆け下りる。
ちょうど5時に常念小屋にたどり着く。疲れた〜。
喉がカラカラで、テン場で缶ビールを2本空けるまでへたり込んでしまった。
【8月21日】
※常念乗越→大天井岳→燕山荘
テント場の朝は早い、周辺のテントでざわざわ音がするので目が覚める。外に出ると満天の星空、天の川も見える。今日も良い天気だ\(^O^)/。
5時20分歩き出す。昨日の蝶ヶ岳から常念までとは違い、UPダウンも少なく、のんびりムードの早朝散歩だ。
毎年この時期にアルプスを歩いているのだが、今年はすごく涼しくって気持ちがいい。
縦走路は横通岳を巻いているが、勿論ちゃんとピークに登る。その間に10人ほどの学生らしい大パーティーや夫婦連れが追い抜いていく。
誰1人として横通岳に立ち寄ろうとはしない。何で?。
勿論、東天井岳にも足を伸ばす。途中で追い抜いた大学生のパーティーにまた追い越されてしまった。
中天井岳は行きすぎてしまい、オットット、と引き返して頂上を踏んで来る。
アホかいな(^_-) 。
中天井岳より大天井岳を望む。
大天井岳を過ぎた頃からすれ違う登山者が急に多くなった。やっぱりここは表銀座だ。ファミリーがぐんと多くなり、お年寄りパーティーも目立つ。
途中1ヶ所岩場で停滞してしばらく待たされる。これも銀座通りか〜。
今日の行程は短いので、何度も何度も休憩しながらのんびりと“空中散歩”と大展望を楽しむ。
12時に燕山荘に到着、昨日は倒れ込むようにテン場にたどり着いたが、今日は余裕綽々。行程が短くのんびり歩けば、山登りって楽珍なのだ。
テントを張ってからフリースをしっかり着込んで、燕山荘のテラスで生ビールをグビリグビリ。大ジョッキ2杯と缶ビールを空けてしまった。このアルプス大パノラマのビアーガーデンは最高。今回の山行で一番気持ちのいい一時だった。
【8月22日】
※燕山荘→東沢岳→餓鬼岳
今日の行程は長い、餓鬼岳にたどり着く時間によっては、唐沢岳を諦めなければいけないかも知れない。
4時半から歩こうと思っていたが、やっぱり5時になってしまった。
燕岳の手前で御来光になる。地平線近くの低い雲の上からお日さんが昇る。いつもこれなんだから〜、もっとスカッと地平線から上がらないもんだろうか。
以前に燕岳に登ったときより登山道はキレイに整備され、ズルズルっと滑りそうな所はなくなっていた。
燕岳の頂上では10人ほどの人が登っていた。落ちつける場所もなかったのでそのまま通り過ぎる。
北燕岳は誰も居ないだろうと期待して登ったが、ここにも1人のカメラマンがでっかいカメラをセットして居た。またザックを下ろさないでそのまま通り過ぎる。
北燕岳を過ぎると急に下草が多くなり、朝露でビショビショ。慌てて短パンにはきかえたが、もうズボンはすっかり濡れてしまった。
着替えているとサルがガサガサと木を動かしている。ここまで来れば入山者はぐんと少なくなるのだろう。
しばらく東沢乗越まで大下りとなる。樹林帯の下りは結構長い。中房温泉まで下りてしまいそうな気がする。
東沢乗越で今日初めて休憩する。これからの登りに備えて腹ごしらえもする。
7時きっかりに登り出す。結構きつい登りなので、いつ休もうかいつ休もうかと思っていると、後ろの景色が開け先ほどの北燕岳が見えてきた。樹林帯を越えるともう少しで東餓鬼に登り着く。とうとう休まず1時間で登ってしまった。ザックを下ろし適当に岩を登り東沢岳の山頂へ。
東餓鬼岳まで一時間も有ればピストン出来そうだが、今回は時間がないのでパス。少し悔いが残る。
まだまだ餓鬼岳は遠い。途中の尾根は尖った岩が幾重にも連なり、かなり手強そうだ。
道は大きな岩を乗り越えたり巻いたり結構疲れる。かなり大きな岩峰が突き出たピークがある。あれをどうして越えるんだろうと思っていると、どうやらそれが剣ズリと言うピークらしく、西側を巻くようになっていた。
地図ではほんの少し巻いているが、なかなかどうして尾根に登り着くのにはかなりの急登だ。これを登れば後は水平移動で小屋だわ・・・。あまい!。
樹林帯を抜けると、岩ありハシゴありどんどん登る。踏み後がハッキリしなくなりザレ場を登るようになる。こんなんで良いのだろうか?。取りあえず上まで登ろう・・。
ところが、そこにはもう道がなかった。ああ!えらいところに登ってしまった。下の方に道が付いているのが見える。(^_^;
どうやらトラバースするところを見過ごして直登してしまった。
ああ損した。
餓鬼小屋の少し手前に小さなテン場があった。小屋までこの重荷を背負わなくてもいい。と思うと「やったぜ!。」と声が出てしまった。儲け儲け。(^.^)
10時半である。すぐにテントを張って、必要な物をサブザックに積めて小屋にご挨拶。
※餓鬼岳→唐沢岳→餓鬼岳
今日はとりあえず唐沢岳ピストンを主にと思っていたので、餓鬼岳は明日に回すつもりだった。
「上りは餓鬼岳を通り、下りは巻き道を降りてきて下さい。」
と、小屋の指示。 しゃーない。
餓鬼岳から見える唐沢岳は険しい。鞍部までどーんと下る、半端じゃない。
歩き始めたときは空身だと楽じゃわい、と思ったがすぐにつらくなる。やっぱり今日はかなり疲れているようだ。
西餓鬼岳の尾根を離れぐんぐんと下っていくと樹林帯になった。まだまだ下る。ここは下れば下るほど唐沢岳の登りはきついし、そしてまた帰りは餓鬼岳の登りがきついことになる。エー加減にしてくれ〜。
唐沢岳へは徐々に登っているのだが、結構下りがあるんだわ〜。うんざりした頃やっと唐沢岳の岩肌が目の前に見えてお花畑が広がった。ここのお花畑は最高に綺麗だった。
もう一息だ!。と思った途端また下る。どんどん下る。まだまだ下る。おい!やめてくれ〜。頂上直下の岩場をぐるっと巻いて、かなり下ってからやっと頂上への登りになった。三点確保のきつい登りだ。
足元から砂がザアザアと崩れていく。一人なので結構気ままに歩けるが、パーティーだと小石を落とさないように歩くのは、結構神経を使いそう。
唐沢岳の頂上は狭い、落っこちないように気を使いながら記念写真を撮る。
今日は朝に一人登っているので、私が2人目の登頂者だそうな。この日はもうだれも居なかった。本当に静かな頂上だ。
餓鬼岳からあのアップダウン(ダウンアップです。)、そして厳しい5時間の行程は、訪れる登山者が少ないのは当たり前かもしれない。
帰路は、先ほど歩いた地形を覚えているので気分的に楽だが、最後の登りが難関だ。
もうヘトヘト、ゆっくりゆっくり足を上げる。こりゃぁ牛歩戦術じゃわい。
休憩していれば一歩も進まないが、ゆっくりでも歩いていればちゃんと登り着くもんだ。がんばったね〜山太さん。餓鬼小屋4時。行程5時間でした。
この日のテン場は私一人だった。(-_-)zzz
【8月23日】
※餓鬼岳→大凪山→白沢登山口
また今日も良い天気、もう飽きるよなあ〜。なんちゃって〜。
小屋でタクシーの手配をしてもらって5時半に下山する。
「ちょっと余裕をみて下さいね。」
と言うので10時に予約した。4時間半もあれば充分だろう。
今日で4日目、最終日だと言うのに一向にザックが軽くならない?。
すぐに樹林帯に入り展望もなくなったので、高度計の数字が少なくなるのを楽しみに下る。
大凪山だと思って一度目の休憩したら、その少し下に本当の大凪山があった。
大凪山からはかなり急斜面を下る。こんな時に役に立つのは私の3本目の足、ストックだ。
白沢登山口に無事下山やったぜ!。
魚止滝の上に最初の水場がある。そこで3日ぶりに顔を洗い、頭を洗いさっぱりする。気持ちいい〜、さむ〜ぅ。この後10人ほど登山者とすれ違う。
渓谷の中の登山道はまるで沢登りをしているように気持ちがいい。
9時10分タクシー乗り場に下山。ザックを整えのんびりとタクシーを待つ。
タクシーで薬師の湯へ直行。
〇~~/\/\~~/\~~ 山太 Santa!
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