奥美濃のヤブ山笹ヶ峰


 【日  時】1979年10月26日
 【山  名】笹ヶ峰(1,284.6m)
 【山  域】奥美濃
 【天  候】晴れ
 【メンバー】山太 翌日はブナノ木クラブのメンバーと合流


 前夜発で京都をたって、今庄の駅に夜中に着きました。一人で駅に寝るのも寂しいものです。
 翌朝タクシーで広野ダムから、大河内川に入り前谷を過ぎた所から歩きだした。
 登るルートは、源平谷山の北側に大きな堰堤があり、そこから県境尾根のロボットに道がついているらしい。ロボットというのは雨量計が設置されていてたようだ。取り付きが解らず、適当に登って尾根に着くと、わりとハッキリした道にでた。
 今回僕は前夜発で一人で出てきたが、翌朝4人のメンバーが車で後を追ってくる予定です。一応僕が登った取り付き点に印とメモを残しておいた。
 昼前ロボットのある尾根に到着、ロボットは、小さな小屋の中に自動雨量測量計がありました。でも今は使われてなく、壊れていて夜露もしのげません。ここは見晴らし最高。奥美濃の山々、そしてその向こうに北アルプス。

 そこから笹ヶ峰までは、かすかな踏み後があったり、又消えたりです。あんまりヤブはきつくなく、そう苦労する事なく2時間ほどで、笹ヶ峰に着きました。
 天気は快晴!雲一つありません。ところが東の方の一つの山だけ、山の上に雲が見えます?。

 下山後、ニュースを見て知ったのですが、その山は御岳山です。休火山が噴火したのです。
  ロボットに戻って彼らの登ってくるのを待ちました。なかなか登ってこず、日が暮れかけ、ビバーグの用意をしかけたとき、やっと登ってきました。やっぱり取り付きに迷ったらしく、結局僕の目印よりずっと手前で、登りだしたようです。

 翌日は南側の、美濃俣丸1,254mにアタックです。途中にヨセン谷丸と言う1.288のピークがあるのですが、そこまではまずまずヤブも少なく、この調子ならと思ったのですが、そこからがひどく、背丈を越える鈴竹との戦いで、時間切れで敢えなく敗退です。

 メンバーの一人が書いた短文も紹介しておきます。

 出発前、久しぶりのテント泊まりの山行に、
心はウキウキしていたのです。
 しかし今・山から帰ってきて、足のすねについている青痣を見ていると、
残念無念でなりません。
 自分の山へのプライドが、もう恥も外聞もなくペシャンコになってしまいました。
 あまりにも奥美濃のヤブを甘く考えていた自分が、見事に一本取られて、
その姿がおかしいくらいです。
 一二度奥美濃のヤブに挑戦したくらいでは、ヤブ漕ぎも好きです、
と豪語するのははなはだ早すぎました。
 これが本当のヤブ漕ぎというものだぞと、山が無言で訴えているようでした。


 偶然にも木曽の御嶽山が噴火した日に、それを山から見たという事が、印象に残っています。その後1年ほど御嶽山は登山禁止になったように覚えています。

            〇~~/\/\~~/\~~ 《山太 Santa!》


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