台風一過の鈴鹿入道ヶ岳



 ぼちぼちいこかさんがボランティア山行をされているのを読んで、登りたくなりました。

 【山  域】 鈴鹿山脈
 【山  名】 入道ヶ岳     906.1
 【日  時】 1994年9月30日(金)
 【ルート 】 椿大神社→北尾根コース→入道ケ岳→井戸谷コース→椿大神社
 【天  候】 曇り
 【メンバー】 山太単独

 西名阪、東名阪と高速を乗り継ぎ、10時に椿大神社到着。結構大きな神社なのでビックリ、観光バスも来ている。

 神社の横の道を歩くとすぐ分岐に出合った、右は北尾根コースの階段状の急登、左は谷に入っている車道。階段は急登でまっすぐ登っているので、面白そうだからこちらを登ることにする。

 昨日の台風のため、折れた枝が散乱している。なんとこの階段は上から見るとまるでスキーのジャンプ台のように上に行くほど傾斜が急だ。後で気付いたんだけど、このコース一番長い時間のかかるコースだった〜。

 とにかくぐんぐん高度を稼ぐ、台風一過の秋の好天を期待していたのに、どんより曇って蒸し暑い、まるで梅雨時みたい。

 途中に“短山椿岳”何て言うかっこいい名前のコブから尾根にのっかる。
細い尾根でアップダウン有り結構楽しいコースだ、でも潅木で視界は利かない。

 笹が茂りだした頃、横でガサッ、ガサッ、と音がする。しばらく歩くと又ガサッ、ちょっと不気味。立ち止まって耳をすます。相変わらずガサッ、ガサッ、鹿か、猪か、熊か、狼か、そんな訳無いか。
 少し不安だが恐いモノ見たさ。ゆっくり歩く。居た!、鹿だ。でも小さい、子鹿みたい。子鹿だからそんなに恐がらないんだろう。しばらく立ち止まってじっとこちらを見つめている。鹿とわかれば安心。その後も距離を保ちながら私の後をピョンピョンと付いてきていた。

 頂上近くになり傾斜が緩やかになった頃、ハイマツのようにアセビの群生、視界も開けてくる、なかなかいい雰囲気だ。入道ヶ岳の頂上にある鳥居が見える、鈴鹿の稜線は残念ながらガスの中だ。

 12時10分、頂上に到着、誰も居ない。伊勢湾の展望抜群\(^O^)/
 
》頂上広場の快適さでは,今まで体験した鈴鹿の山の中でここが最高.

と言う、ぼちぼちいこかさんの言葉につらされて登る気になったんですが、さすが、最高!。私も鈴鹿はほとんど登ったが、一番だと思う。

 少し風の弱い伊勢湾側の傾斜で、シートを広げ、露と汗で濡れたズボンもシャツも脱いで寝っころがる。気持ちいい〜。
 アルコールバーナーでラーメンとおにぎり。ラーメンの中には定番のウインナーとゆで卵。一つ残念なのは、ビールの缶が小さかったこと、ロング缶にすればよかったと悔やむ。

 良い天気だったらもっとのんびりしたかったが、稜線の山が見えなくなり、雨がぽつりとしたので、下山することにした。雨と云うほどでもなく、その後も降ることはなかった。

 尾根道を登ったので、下山は井戸谷の谷コースにする。1時半、下ろうとすると3人連れが登ってきた。一人はかなりバテバテ、私と同じ北尾根コースを上がってきたらしい。今日出会った唯一の登山者だ。

 谷に入るまで、かなりの急勾配、転がるように降りる。すぐにザアザアと水量の多い沢に出合う。
 道は沢を何度も渡るコースだが、水量が多く渡るのに苦労する。昨日の台風でかなり増水しているようだ。はじめは気遣って、水に浸からないようにしていたが、一度ドボッとはまってしまい、後は気にすることなく、ジャブジャブ沢に入ってしまう。こりゃ沢登りじゃわい。

 登るときは何の収穫もなかったので、ひそかに期待した沢コースは・・・。
あったあった、アケビ!。でも高いなあ〜。
 直径が20センチもあるような、大きな山椒の木が倒れて道をふさいでいた。その木にはアケビのツルがグルグル巻きに巻き付いてる。自分だけの枝振りなら台風でも持ちこたえられたんでしょうが、アケビと一緒に共倒れになっている。
 このアケビって、紫色していないんです。食べられるんだろうか、割ってみると確かに黒い種があるが、でも堅い。まだ熟していないので諦める。

 2時40分に椿大神社に下山。ゆっくり神社を散策して車に戻る。

 濡れた服を着替え、靴を脱いでビックリ、ヒルだ!。丹念に靴を見ると3匹もくっ付いている。足は大丈夫のようだ。着替えた服を丹念に調べたが付いていないようだ。
 こんなのを持って帰ったら、何と言って怒られることか〜。(^_^;

 車を運転していて、何やら腰の変がモゾモゾするので触ってみると、ギュウ!ヒルだ!。あわててつまみ、取りあえずダッシュボードの上に置く、尺取虫のようにしばらく動き回り、暑さで苦しんでいるようだ、ざまあみやがれ!。
 通気穴の中に入っていきそうになったので、こりゃダメだと外に放り出す。
指に吸い付いて離れない、鼻くそみたいに、ポイ!、死ね!。

 腰は痛くも痒くもないので、どうやらか咬みつかれる前だったのだろう、と安心して、高速を走らせる。しばらくして何気なくそこに手をやると、血がべったり!。やられてる〜。
 途中サービスエリアで応急処置をしたんだが、帰って見るとまだ血は止まっ
ていない。Gパンやシャツが血染めに〜。(^_^;

          〇~~/\/\~~/\~~ 《 山太 (Santa!) 》
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