荒島谷より縫ヶ原山


 【日  時】1979年06月23日
 【山  名】縫ヶ原山(1,317m)
 【山  域】白山南部
 【天  候】晴れ
 【メンバー】室木 山太 荒川


 荒島谷川は、あの日本百名山の(福井県)荒島岳の谷ですが、荒島谷川本流は荒島岳には上がっておらず、地図にも名前が載っていない、縫ヶ原山 (1,317mm)に突き上げます。
 勿論道などまったくない山です。この谷には幻の大垂(”おおたる”)と言うでっかい滝があります。
 荒島岳の登山道を過ぎた頃から谷が狭ばり、いよいよ滝があらわれる山容になってきました。まずは5メートルの滑滝、滝壷を腰まで浸かりフリーでクリアー、その奥に、約20メートルの滝があった。これが幻の大滝?。
 左岸のルンゼをザイルで確保してもらい空身で登る、ちょっと手ごわい!。僕の技量ではフリーで登るのには、精いっぱいの岩だ。やっと登りきり安堵したが、ありましたねー!その奥に、落差30メートルを越しそうな滝が!。
 さすが立派な滝です。両岸が迫っていて到底越せそうにありません。うんこれが幻の大滝!納得。カメラを持ってこなくて残念。先ほどの滝を懸垂下降で下った。そのザイルの確保で、滝を見に行くかと二人に聞いたが、二人ともパス。幻の大滝を確認したのは僕だけ。
  高巻きは、一端荒島岳登山道まで戻り、登山道を使い途中からヤブを漕いで、滝のすぐ上に抜けた。ばっちりと滝上に出ましたよ。これが難しいんですよね。早すぎると滝の途中に出て登り直したり、巻き過ぎると、沢に下りるのにたいへん苦労します。
 その後はたいしたところもなく、適当なところを見つけてテントを張った。沢から少し上がり土手の上に張ったのですが、その夜は大雨が降ったのです。
 テントの中まで水浸しにして、パニック状態でした。それに水かさがグングン上がり、河原は完全に濁流に浸かり、土手の横の土を削っている始末です。もうすぐその土手を越えれば、テントは床上浸水です。(テントには床下は無かったっけ。)こりゃ大変だ、一応テントの中で荷物をまとめて、何処に逃げるか等相談していました。
 幸い少し小降りになると水かさが下がり始めました。やれやれそれにしても急激な増水にびっくりしました。
 翌日、昨夜の雨は何処へやら、谷は昨日と変わりません。水かさも昨日テントを張ったときとから、全然増えていません。??昨日の雨は夢?。

 谷の源流は水の増減が著しいんですね。 きついヤブ漕ぎの末、昼に縫ヶ原山に到着、これほど人の登った気配の無い山も珍しい。よく、頂上に登頂日を書いた山岳会の木片や、メモがあるのだがそんなもの皆無。ただ3等三角点の石があるだけ。
 頂上で山座同定、この一時は、登りに苦労すればするほど、なんとも言えない、気持ち良い一時です。

 降りは南側の三坂谷への下りました。

            〇~~/\/\~~/\~~ 《山太 Santa!》

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