「オオヤマレンゲの写真を撮りに行きたいなあ〜。」
「よっしゃ!。」と、仕事引き受け人はこまさん。
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○つるアジサイ
枯木に花を咲かせましょう。大木に、綺麗な緑の葉と白いガクアジサイのような花。
よくみりゃ、枯れ果てた大木につるがからみついている。
まさかこの花がからみついたから大木が枯れたんじゃないだろうけど・・。
立ち枯れ大木は日当たりが良いからそれを利用して伸びていくんだね。
緑の中で白い花が良く目立つ。(文、こまくささん)
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コースお任せ、日時お任せである。例年なら旬は7月の半ばらしいが、今年は季節が半月ほど早いので、6月終わり頃と決定。それに合わせて休暇を取りました。
前日は麓でテントを張って焚き火で遊び、翌日は山に登るという贅沢山行だ。
【日 時】1998年06月29〜30日
【山 名】弥仙・八経ヶ岳・明星ヶ岳
【山 域】大峰山
【天 候】晴れ
【メンバー】(囲炉裏の仲間)こまくささん、山太
【ルート 】行者還林道トンネル西口→弥山→八経ヶ岳→明星ヶ岳 ピストン
夕方に洞川から行者還林道に入る。その夜はトンネル西口の川沿いで、焚き火を囲んで山に浸る。対岸のヤマボウシの花がお見事!。
たっぷり買い込んだつもりのビールや酒がなくなってしまった。どうやら想像以上に飲んでしまったようだ。そりゃそうだわ、日が暮れてから5時間も飲んでいたんだから〜。
ここ数日の熱帯夜から解放されて、その夜はテントでぐっすり眠れた。
雲一つない真っ青な空を見て、「オオヤマレンゲを撮るには悪い天気だなあ〜。」と贅沢を言う。
最初は稜線までつけられた高度差400メートルの登りから始まる。新緑の自然林は色鮮やかだ。一本一本の樹木の形を見るだけでも楽しませてくれる。
?「ケェッケェッケェッケェ〜」
k「カジカが鳴いてる!」
s「あれ〜、セミとちゃう。カジカゼミ!、これは私が付けた名前やけど。」
k「・・・・・」
s「ほら上の方から聞こえてるやろ。」
k「カエルも木に登で〜。」
強情である。
k「ここまで上ってきたらもう聞こえへんやろ。やっぱりカジカやったんや。」
?「ケェッケェッケェッケェ〜」
s「ほらまだ上で聞こえる」
k「・・・・・」
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弥山小屋周辺 |
もう半分すぎた!。こんな登り軽い軽いと思っていたが、だんだんと急勾配になってきた、やっぱり登りはつらい。
周辺はシャクナゲが多い、春なら楽しませてくれるところだが、そのほかの花も今は見あたらない。
稜線に上がってやっと休憩。木陰から行者還岳が見える。空を見上げると、真っ青と淡い緑の綾模様。こんな写真を撮ってもしゃぁないか、と思いながらもシャッターを切ってしまう。
あちこちで、立ち枯れの木にからみ付いたツルアジサイが花を付けている。
立ち枯れは日当たりが良いからだろうか。
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○オオヤマレンゲ
黄色く萎れているのもあったが、この花は咲いてしまえばいつでもこんなの。
蕾もたくさん付いていたし、次々に咲いていくから、丁度いい時期だったと思う。
やはり花は年々少なくなっているね。今年は明星直下の、古くからの自生地の方に
も、フエンスがしてあった。フエンス外の枯れかたはますますひどくなっている。
美しかったけれども欲を言えばやはり雨の中の方が良く似合う。
☆大峰の名花。
オオヤマレンゲはシャクナゲとともに大峰を代表する花。
この花は別名、ミヤマレンゲ、ビャクレンゲ、天女花とも呼ばれ、7月純白の花を
付ける。うつむきかげんでひっそりと咲く姿はつつましやかな乙女といった感じ。
・・・とエアリアマップにあるが、まさにそのとうり。おとめばな。
少し開きかげんの時に奥に見える。薄べに色がいい。(文、こまくささん。)
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抜けるような空、遠く見えているのは果無山脈か、さらっとした風は冷たく、梅雨時とは思えないぐらい気持ちが良い。
弥山の最後の登りはつらい。こまさんがオオヤマレンゲの花を見つける、もう盛りが過ぎている。きっと上ではまだ咲いているだろう。これから先が楽しみだわ。
のどかな弥山小屋周辺で一息入れる。最近新しい小屋が建ったようで、こまさんが「来る度に変わっているなあ〜。」というが、私が訪れたのはもう25年も前、あまりにも遠すぎてすっかり忘れている。
オオヤマレンゲはシカの食害の為、最近激減しているそうな。その立ち枯れが目立つ。これがすべて咲いていたら見事だろうに〜。
シカの食害を防ぐためにネットで囲まれた聖域を設けている。扉を開けてその聖域に足を踏み入れる。咲いている咲いている。しばらくは蝶のように花から花へと渡り歩く。よかったよかった、オオヤマレンゲに巡り会えて〜。
八経ヶ岳で冷えたビールで昼食をとる。弥山小屋が目の前に見えて、その向こうに大普賢岳の険しい姿が見える。
八経ヶ岳と明星ヶ岳の鞍部にもオオヤマレンゲの自生地があるので行ってみる。こちらもネットで守られてかろうじて咲いている。ネットの外はほとんど枯れている。こんなになる迄にもう少し何か打つ手はなかったのだろうか、残念だ。
あと一カ所、古い地図によれば明星ヶ岳から湯ノ又に下る道にも自生地の案内がある。この道は今は廃道になって所々道が消えている。
分岐にザックを置いて空身で下る。こまさんが先頭に立ってドドドッ下る。
振り返ると明星ヶ岳が遙か遠くになってしまった。
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八経ヶ岳より弥山を望む。右に見えるのは大普賢岳 |
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○ショウキラン
なんと美しい色の蘭の花。今年始めてみた。
下唇(?)を空けると、綺麗な色が覗ける。
上と下で虫を誘い込むつもりか? |
「こまさ〜ん、もうよそうよぉ〜。」そう言いたかったが、そう云う声を聞きたく無いかの様に、ドンドン下る。
稜線からちょっと下ったところに、オオヤマレンゲの枯れて哀れな姿があったが、その後はそれらしいところは見あたらない。「あきらめようよぉ〜。」
15分ほど下ってしまっただろうか、いや20分かもしれない。とうとう諦める。登り返しが大変だ。
考えてみると、人害で枯れたのなら、人が立ち入らない所はたくさん咲いているかもしれないが、敵はシカである。こんな所ほどほどオオヤマレンゲを存分に食べているだろう。
帰路は全く同じ道を引き返す。少し白い雲がでてきたが、相変わらずの晴天である。
弥山を下ったところにある聖宝宿跡から、トンネル西口分岐までダラダラと長く、ええ加減疲れてきた。
弁天の森でこまさんがポツリと言う。
「あれは、カジカやないなあ〜、ヒグラシやなあ〜。」
やっと認める。一件落着!。
車にはクーラーボックスに入れてあった氷がまだ残っている。そーめんを湯がいて氷で冷やす。冷や奴とセットで食べると、じっとして居ても噴き出していた汗が見事に引いてサッパリした。
林道西口8:00→八経ヶ岳12:00→林道西口17:00
〇~~/\/\~~/\~~ 《山太 Santa!》