初秋の北アルプス 太郎平から笠ヶ岳へ




 皆さんの夏山を指をくわえて見ていましたが、やっと休みが取れましたので、
北アルプスへ、ピーク稼ぎに行ってきました〜。

 【日  程】1994年9月6日〜9日 前夜発
 【山  域】北アルプス
 【山  名】北ノ俣岳・黒部五郎岳・三俣蓮華岳・双六岳・笠ヶ岳
 【メンバー】山太単独
 【入山地 】富山→有峰口→折立
 【下山地 】新穂高温泉→高山

※9月6日 曇り時々雨
 折立8:30→三角点9:00→12:10太郎平小屋

 富山電鉄の立山行きに乗る登山者は、私以外に2パーティー。誰か私と同じ有峰口駅に降りるだろうか〜。
 富山電鉄で使っている車両は懐かしいなあ〜、京阪電車のテレビカーだった。あの、浅間山荘事件の時は、このテレビを食い入るように見ていた。何年前だろう〜。

 朝6寺過ぎ、有峰口に着く。列車から降りたのは私一人。(^_^;
バスはシーズンオフなのでない。タクシーで一人とはきびしいなあ〜。しばら く駅で待つことにする。誰か〜、登山者コイコイ!。

 次ぎの列車で年輩のご夫婦の登山者が降りてくる。やった!、まるで田舎観光旅館のポン引きのように話しかける。
 すんなり話がまとまり相乗りして折立まで行くことになった。おまけに〜「この歳になると、図々しくなりまして〜。」 何て言いながら、朝、早ようからよその家に入って聞いて、テキパキとタクシーの手配をしてくれました。

 30分ほど待って、何処からかタクシーは来た。誰が決めたのか貸し切り料金。13,100円!、高いのか安いのか分からない。でも高いなあ。
 このタクシーの運転手も折立まではあまり入っていないらしい、有峰ダムの水の少なさに感心していた。

 ひっそりとした折立登山口。以前、ここに来たのはもう3年前か〜、その時と何にも変わっていない。でも静か。

 今日は太郎平までだ、ゆっくり登ろうと自分に言い聞かせ、8時半歩き出す。
 一度登ったコースは気が楽だ。それにこの前、鈴鹿で足慣らしをしているので身体も軽い。テント・4日分の食料・それに少しの防寒具、でもザックの重さは気にならない。

 そうそう、今回山行から新兵器使用!。それは“杖”\(^O^)/

 以前から棒切れを拾い、杖にして歩くと楽だと言うことは知っていた。でも杖なんて〜、と言う気持ちもあった。まっ!、歳だからいいか〜。一度積極的に使ってみよう。
 私の買ったのはストック型のグリップ、内部にはクッションのバネが入っている。このクッションがまた気持ちがいい。
 杖をついて登ろうとすると、そのバネがホイッと身体を持ち上げてくれるみたい。
 三角点を過ぎ、展望が開けた頃ポツリポツリと雨が〜・・・。のんびりと歩きたかったのに、休む機会を無くしてしまった。
 傘を差して黙々と登る。そして、今夜はテントは止めて小屋に泊まろう、なんて相談が頭の中でまとまっていく。全員賛成、私1人だけどね。すっかり軟弱になってしまった。

 12時10分太郎平の小屋に到着。ラジオでは今夜の大雨を予想していたので迷わず、宿泊手続き。昼間からビールが呑める幸せ、いいなあ〜。
 宿泊者は6人だけだった。私は荷物を軽くするため自炊、寂しいなあ〜。

 夜中に半端じゃない大雨、小屋に居てもやかましい。小屋にしてよかった!。


※9月7日 雨後晴れ、夜雨
 太郎平小屋7:10→8:50北ノ俣岳9:00→11:30黒部五郎岳12:00→15:20三俣小屋

朝、食事の用意が出来ました〜、と言う声で5時半に起こされた。ワシら関係ないモンね〜。相変わらず強い雨が降っている。ふて寝していたが、何時までもそうもして居れず、一人で朝食を作る、なんせ自炊なもんで〜。

 コーヒーを湧かしたりしてモタモタしているうちに、何となく天気が良くなってきたようだ。よし!、出掛けるとするか〜。その判断は皆同じだったようで、7時には泊まり客全員が入り口に集まる。
 下山する者3名、黒部方面に行く者3名。昨日のご夫婦は一足先に出発、私も後を追って出発。

 相変わらずガスと霧雨で視界が聞かない。今日もこんな一日かなあ〜、何てしょげていたんですが、北ノ俣岳の登りにさしかかる頃、まず空が真っ青になった。そして次ぎに雲ノ平の台地が見えてきた。
 やった!、やっぱり青空は最高。大きな声で「ヤッタ!、ヤッタ!」と叫んでしまった。
 北ノ俣岳の登りの斜面は一面のお花畑。黄色い花が咲いている、と思ったのは黄葉している葉っぱだった。よく見ても一輪の花も咲いていなかった。
 毎年この季節はこんなに花が少ないのかなあ〜。

 北ノ俣岳からは黒部五郎岳が見える。遠い〜。雲海の向こうに白山が見える。
富山湾も見える。ぐるっと360度とはいかないが、雲の間に水晶岳が見えたり、鷲羽岳が見えたり〜と、出し惜しみをしながら少しづつ見せてくれる。

 黒部五郎岳で昼食を取りながらゆっくり休憩。眼下には五郎カールの道が、のんびりムードでついている。それに引き替え尾根コースは、結構分岐していて歩きづらい。
 これなら五郎カールのトラバース道を通って黒部五郎岳をピストンする方が、楽珍だろう。
 黒部五郎小屋は良いところに建てるねえ〜。天国の様だ、行ったことはないが〜。
 小屋の前の庭で今夜ここに泊まるという単独行の方としばらく話す。この小屋が素晴らしいと聞いて、泊に来たそうだ。なるほど、アルプスの最深部の雰囲気がただよっている。
 私は明日の行程の事を考えて、少し遠回りにはなるが、三俣小屋のテン場まで頑張ろう〜。

 三俣蓮華岳のトラバース道は結構アップダウンがあるんだ。そんなつもりで歩いていなかったので、ここが今回一番疲れたところ。

 三俣蓮華のテン場は3パーティーのテントが張ってあった。心丈夫だ〜。ここから見る鷲羽岳ってすごい立派な山だ。頂上からドドドドっと下る道が見える。
 以前に、あの道を完全に分解してしまった靴を履いて降りたんだ。正確にはソールをワラジのように足にくくりつけて降りたんだ。

 夕方5時頃から雨になる。雨は断続的に強くなったり弱くなったり〜、テントにたたきつける。やかましくって眠れはしない。と言いながら結構寝たのかな、完璧にテントを張ったので、冠水なし。


※9月8日 雨後曇り
 三俣テン場7:00→7:50三俣蓮華岳8:00→8:50双六岳9:00→9:30双六小屋9:50→10:50弓折岳11:00→11:45大ノマ岳12:00→14:20笠ヶ岳テン場

 三俣蓮華岳も双六岳もみんなガスの中、結構ビショビショになる、風が冷たく寒い。
 時々楽しませてくれるのは、雷鳥だけだ。4羽のパーティーが前を歩いている。よく見ると一羽だけが少し大きい、色も少し濃い、お母さんだね。足の羽根がもう白くなっている。バタバタッと羽ばたくと、おお!羽根が真っ白。もう冬の用意をしているんだ。
 いつまでも私がつきまとうので、いつミーティングしたのかわからないが、小さい3羽だけが道からそれてそっと隠れた。親鳥は相変わらず道を歩いている。囮作戦だな!。
 しばらく私の前を歩いた後、さっと横道にそれた。見ていると、うまくいった!、と言うような顔をして子供のところへ帰っていった。

 双六岳から下りかけると、パッとガスが切れて視界が開けた。小屋も見える。それと同時に雨がパラパラと降り出してきた。
 おいお前、ガスの中を歩く方が良いか?、それとも雨でも視界が開けている方が良いか?、どっちだ!。と問いかけられているよう〜。雨の方が良いです〜。

 双六小屋で雨宿りをさせてもらって軽い食事をとる。以前に見た可愛い看板娘の小屋のお嬢さんが居た居た。

 雨でもいいって言ったのに、雨とガスのダブルパンチ。でも徐々に明るくなってきて、天気は良くなってきているよう。
 一時は笠ヶ岳をあきらめて、鏡平に下ろうかとも考えたが、予定通り笠ヶ岳に向かう。

 大ノマのピークで休んでいると、ガスが切れ、槍ヶ岳が見えた!おおっ立派、穂高も見えた!すごい、昨日登った黒部五郎岳も!でかい。でも笠ヶ岳だけはひつこく顔を出そうとしない。

笠の小屋はまだかいな〜、とガスの中を歩いていると突如テント場出現!、着いた着いた。
 まずはテントを張り、濡れた服を着替えやっと落ち着く。水場の道案内を見つけ、かなり降りて探しに行ったが、水はなかった。小屋で聞くと雪渓のある時だけでこの時期になるともう無いらしい。
 小屋で水とビールを買って、なーんにも見えない頂上に登ってくる。テント場から往復40分のアルバイトだ。
 今夜のテント場は私以外に1張りだけだった。


※9月9日 晴れ
笠ヶ岳テン場6:50→笠新道分岐7:30→笠新道登り口9:40→10:20新穂高温泉

 夜中は風が強かった〜、それがやかましくって、何度も目が覚める。朝4時半に起きて朝食を作る。今日は早く降りて帰ろう。今日中には未読を消化しておかなければ、明日から仕事が忙しい。(こりゃもうパソ通中毒だな〜。)

 食事を済ませ外を見てビックリ!。雲一つ無い \(^O^)/。槍穂高の稜線が赤く染まっている。御来光だ!。
 あわてて身繕いをして、笠ヶ岳へと急ぐ。悪天候ならすぐ下山しようと思っていたが、こんな時に頂上に立たなければもったいない。

 御来光までには頂上に登りきれなかったが、頂上の景色は最高だった。南アルプスも富士も見える。そして影笠もクッキリ!。“影笠”って勝手に言って居るんですが、笠ヶ岳の影が雲海にクッキリと見える、富士山のように格好良い影だ。

 テキパキとテントを撤収して下山。
 稜線は冷たい風が吹き、もう秋なんだなあ〜と思わせる。でも笠新道に入ると朝日を浴びて暑い。この道って夏の朝の登りは暑いだろう。
 あまり杖を使いすぎて、手にマメが出来てしまった〜。(^_^;

 とうとう一時も休まず林道まで降りてしもうた。平坦な道は歩いていても汗が引くほど涼しい、ススキが綺麗。もう秋はすぐそこまで来ているようだ。
 
 共同浴場に入りビールをグビリ!、朝湯、朝酒、最高最高、シアワセ!。

          〇~~/\/\~~/\~~ 《 山太 (Santa!) 》

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