奈良県室生、古大野岳は鉄砲恐い


 ちょっと期待していた様な寒さはなく残念。

 本当は寒風吹き荒れ、歩いても歩いても暖まらない、寒々した室生路を求めて行ったのですが、ぽかぽか陽気で汗ばむ一日でした。
 途中でハンターに出会い、鉄砲の音が聞こえるし、身の危険を感じる恐い恐い「のんびり山歩」でした。

【山  名】 古大野岳 (601.4m) 2等三角点
【山  域】 奈良県室生火山群
【日  時】 94年1月25日(火)
【天  気】 晴れ後曇り
【地  図】 エアリアマップ 赤目・倶留尊高原
【メンバー】 単独
【行  程】 室生口大野→上出→向淵→石薬師→603m峰→水晶山→拝の山→
       古尾池→大福寺→古大野→古大野岳→古大野→室生口大野


 民家の点在している村の道を地図を片手に歩き出す。道標なんて全くない。雪が所々に残り滑る滑る。うん、なかなか上手い事予定通り向淵までたどり着いた。
 水晶山の岩肌が見える。柱状石が露出して結構尖った山だ。あの柱状石から水晶山と言う名前が付いたんだろう。

 私が歩いていると、村のおじさんが道を尋ねて欲しそうな顔をして、突っ立ってる。礼儀として聞いて上げなければ〜。

「ここからあの山に登れるんですよね。」

「うんじゃ。ここから見える山並みは綺麗じゃろう。あの下に白い広〜〜〜い、田が見えるじゃろう。あれがワシの田で、そこに時代劇の撮影に来たことが有るんじゃ。電線が一本も見えんので、信州の山並みに見えるそうじゃ。」

と言って三郎ヶ岳の方を指さした。聞いて上げるのも人助け。

 石薬師の手前で登り口を確認、飯降の石仏を見るために通り越す。何て事はないだだの岩が有っただけ。
 山道に入り誰も踏んでいない新雪になった。積雪10〜15センチ、スパッツを付ける。

 車が通れるような広い道は、簡易水道の設備の所までで後は不明瞭。細い道があるようだが、雪に隠れて見失ってしまった。まあいいやと適当に薮を漕いで603メートルのピークにたどり着く。結構雪が覆い被さり濡れてしまった。

 拝の山への尾根は小道があり、しめしめと思って歩いていると途中で消えてしまった。又薮漕ぎか〜、地形が難しく現在地が解らない、取りあえず上へ上へと登る。突然視界が開け、あれ〜・・・、スキー場出現!。真っ白い雪原が広がっている、ゴルフ場だった。勿論誰も居ない。積雪20センチ、バージンスノーを歩く!。気持ち良い。

 ゴルフ場を縦断して小道に入ったが、現在地が全く不明。何やら凍った大きなため池に出てきた。そこで新しいビムラムソールの足跡を見つける。
 こんな所に登りに来る馬鹿も居るんだなあ〜、なんて思いながらその足跡の後に付く。古大野岳へ縦走するつもりだったが、とにかく一度降りねば解らない。

 足跡の主は、鉄砲を持って彷徨いていた。恐〜!、やばいなあ〜早よう離れよう。
 畑が出てきて民家が間近に見えてきた頃ちょうど12時。飯にするか〜。
 ビールをシュパーと抜いて、グビリグビリ、旨い!。アルコールバーナーでラーメンを作り、1時間ほどゆっくり休憩。降りてきた所は大福寺だった、と言うことは先ほどの池は古尾池だろう。

 林道古大野線の方に回り、もう一度古大野岳へ登り直す。やっぱり途中で道が無くなってしまった。又薮漕ぎだ、途中で鉄砲の音が聞こえる。恐い恐い。

 2時にやっと古大野岳601.4mに着く。2等三角点、展望は利かないが、測量のため4方向だけがよく見渡せるように刈り込んである。
 山名プレートは何にもない。こんな山登る訳ないよな〜。下山は慎重に自分の足跡をたどって同じ所を降りる。雪がなかったら迷いそう。

 古大野の村より三本松駅に抜けようと、あぜ道をたどったが大失敗。こんな事って有るんですね。車の通れるような広い道が村から下っているので、それをたどると田が有るだけで、だんだん細くなって、とうとう道が無くなってしまった。もう薮漕ぎはイヤ、村まで引き返し30分ほどのロス。
 室生口大野駅に3時20分帰り着きました。

          〇~~/\/\~~/\~~ 《 山太 (Santa!) 》
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