なぜか、今年の囲炉裏は針ノ木岳の話題が多い、それに釣られて山太も針ノ木岳周辺でした。
今回は「写真を撮りながらゆっくり歩こう!」をスローガンに花の写真をたくさん撮ってきました。そしてコースタイムは取らない山行です。
【日 時】1997年08月18日(月)〜08月21日(木)
【山 域】北アルプス
【山 名】岩小屋沢岳(2,630) 鳴沢岳 (2,641) 赤沢岳(2,678)
スバリ岳 (2,752) 針ノ木岳(2,821) 蓮華岳(2,799)
北葛岳 (2,551)
【メンバー】単独
【ルート 】19日 扇沢→種池→爺ヶ岳ピストン
20日 種池→岩小屋沢岳→赤沢岳→針ノ木岳→針ノ木峠
21日 針ノ木峠→蓮華岳→北葛岳ピストン→針ノ木峠→扇沢
朝日に輝くチングルマ、蓮華岳の登りにて。
◆ 18日(晴れ) ◆
夕方出発して夜11時に扇沢に着いた。未舗装の無料駐車場にテントを張る。駐車場はガラガラでポツリポツリとしか車は停まっていない。
満月を少し過ぎた月を肴にほっこりする。
◆ 19日(曇り) ◆
適当にシュラフをかぶって寝たのだが結構寒く、夜中にシュラフカバーを被せる。
今度は、テントの中が暑くなって目が覚める。もうギラギラと太陽が照りつけている。出発はゆっくりで良いが、これ以上寝ていられない。
歩き出したのが9時頃だったと思う。少し車道を下って柏原新道へ入る。
最初から急登だが、ペースをグンと落とせばつらい登りでもない。
それでも高年のパーティーを追い抜いてしまう。
「いけねえいけねえ、追い抜いてしまうとペースが速くなる。」
と思って休憩したのだが、その後このパーティーを見ることはなかった。
種池のテント場、一番乗り達成。 天気は良いのだが、だんだんガスの中に入っていく。稜線近くになるとすっかり展望が利かなくなった。
昼過ぎ、種池小屋に着きテントの手続きをする。
勿論ビールを買ってテントを設営しながら一本空けるが、今日の働きが悪いのか「うめぇ〜!」と言う感動はなかった。
ぶらりと爺ヶ岳に登る。以前に鹿島槍の方から縦走してきているので、べつに登らなくて良いんだけど〜。
頂上で30分ほど待っていたがとうとう晴れることはなかった。よせば良かった。(--;)
この日のテントは4張りだった。
◆ 20日(ガス) ◆
明るくなってからテントの外を覗く。真っ白!。(--;)
今日は今回の行程のハイライトなのに残念だ。まあ「雨が降らないだけまし。」と思うしかないなあ。
遠望が駄目なら足元の景色でも楽しもう。丹念に花の写真を写しながら歩く。ザックを降ろしファインダーを覗いてみるが、「イマイチだなあ」と撮さなかったり、やっぱりあの花を撮っておこうと戻ったり。
クルマユリやトリカブト、チングルマ、エーット、エーット名前は帰って調べよう。
蓮華岳のコマクサ
岩小屋沢岳や鳴沢岳の頂上になるとガスがとぎれて、立山連峰が一瞬見えそうになった。期待を膨らませてしばらく待っているとまた真っ白になる。
赤沢岳までは点々とお花畑があったが、スバリ岳に近づくに連れ、岩の多いヤセ尾根になった。
そのころから徐々に天気は良くなってきて、スバリ岳の下りからは針ノ木岳や蓮華岳を見ることが出来た。
針ノ木岳の頂上で、黒部ダムと立山の写真を撮ろうと1時間ほどねばったが、これも見せてくれなかった。
針ノ木峠のテント場は指定された番号の場所に張るようになっている。一人用のテントだとかなり小さいスペースしか与えられないが、幸い私のテントは二人用なので、それなりのスペースをもらえた。
しかし・・・、「こりゃ平じゃないで!。」どう寝ても横にズルズル滑り落ちる。どうも住みにくい。(--;)
明日の予定は北葛岳をピストンして、ここに連泊しようかとも考えていたが、ヤンペ!。
この日もテントは4張りだった。広い場所が空いてるのにぃ!。
蓮華岳から北葛岳を見る。遙か向こうは穂高連峰
◆ 21日(晴れ) ◆
今日は頑張るぞ!。 3時半に起きる。月が輝き抜群の天気!。\(^O^)/
朝飯を済まし「さあ出かけるぞ!。」と思ったがまだ外は真っ暗。ブザックだけのパッキングだったので、こんなに早く起きる必要はなかったのだ。 (^ ^ゞ
5時前歩き出す。小屋から見えていたピークが蓮華岳だと思っていたが、本当のピークはその奥にあった。
コマクサが寂しそうにポツリポツリと咲いている。決してコマクサの群生とは言い難い。もう時期的に見えなくなっているのだろうか。
蓮華岳山頂でやっと最高の展望を楽しむ。とにかく北アルプス全部見える。富士山も、南アルプスも、八ヶ岳も。
これから登る北葛岳はなんと小さいことか、蓮華岳の尾根の小さなコブでしかない。
コースタイム3時間か〜フン。「蓮華の大下り」だって!。フフン
広い尾根から岩稜の険しい道になり、半端じゃない下りだ。北葛乗越まで500メートル以上の下り。なるほど「蓮華の大下り」か〜。納得。
北葛岳がやっと大きく見えてきた。蓮華岳の岩稜に比べ、北葛岳登りの斜面は穏やかだ。道は草が覆い被さり、朝露でズボンはグッショリ濡れてしまった。
北葛岳より蓮華岳を見る。
見えている尾根は蓮華の大下り北アルプス最後の秘境!、北葛岳に登頂。\(^O^)/
そんなたいそうなもんでもないな。
ちょうど船窪小屋から縦走してきた単独行に出合う。2時間ほどの行程らしいが、以前に七倉岳は登っているのでここから先はパス。
頂上でゆっくり休憩し、ここでも周辺の写真を撮りまくる。ここから見る蓮華岳と針ノ木岳はリッパだ。
10時半にテントに戻る。今回予定のピークは全部登ったので、もう山を下りよう。
針ノ木峠から雪渓めがけてどんどん下る、下る、下る。いつまで経っても雪渓は出てこない。
それより先に水の流に出た。今回の山行ではじめて出合う水の流れに、頭から水をかぶる。ああ〜気持ちいい・・。
登山者と結構出会う。その度に「後どのくらいですか?」と聞かれる。最初は、聞かれた人をじっくり見て、「え〜っと・・・、30分ぐらいでしょうか。」何て応えていたが、結構計算が面倒になり、最後には「30分下ってきました」と、応える。
やっと雪渓が出てきたが、歩くのは危険な状態なので、高巻きをせよと案内がある。またまた登山道を下る下る。
谷には雪渓が詰まっている。「歩けるじゃぁねえか!」なんて思っていたら、谷が狭まったところで切れていた。あんな所に入り込んだらえらいことになる。
蓮華岳の下りより見る針ノ木小屋。
私の青いテントだけが残っている。やっと雪渓歩きになったが、もう先が見えている。
日本三大雪渓と言えば、剱沢雪渓と白馬大雪渓とこの針ノ木雪渓だ。
全部同じ時期に歩いているのだが、剣沢雪渓はリッパだった。稜線の残雪から出合までびっしり詰まっていた。
白馬雪渓も結構長く歩いた。それに比べてこの針ノ木雪渓はかなり小さい。
“三大”なんて言えるのかなあ〜。
大沢小屋に張り紙があった。
『ニュース』
8月21日午前7時ごろ種池から針ノ木岳へ向かう稜線上に熊が出没し、男性が襲われ、重傷を負う事故が発生しました。稜線方面へ向かわれる方は十分注意して下さい。
リスとの遭遇 大沢小屋 へえ!、今日は何日??。やっと今朝の事故だとわかる。ふ〜、昨日だったら私が襲われていたかも知れないなあ。ビックリビックリ。
下山してから、ラジオのニュースでわかったのですが、被害者は神戸の単独行の男性だそうです。種池から針ノ木方面に1キロほど行ったところで熊に襲われ、上半身にかなりの重傷を負い、男性は自力で種池山荘まで戻り、ヘリで病院に運ばれたそうです。
私は大沢小屋の手前でリスに遭遇、無事カメラに収めました。ヽ(^o^)丿
1時半頃、扇沢にたどり着く。暑い暑い。下山後のビールはやっぱり最高にうまい。お疲れさまでした。
いつもお世話になっている薬師の湯で一風呂浴びて、10時帰宅しました。こう言うときは車は便利ですね。
〇~~/\/\~~/\~~ 《山太 Santa!》
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