大峰 勝負塚山 沢登り
ピカッツ!、ゴロゴロ、ザーザー、大雨の降る中、明日の晴天を信じて車を
走らせる。
いつもの前夜の酒盛りも定番になってしまった。でも明日の谷が心配なので深夜1時で切り上げてテントにもぐり込む。
明け方いやにカラスがうるさいなあと思っていたら、昨日食べ残したものをきれいに片づけてくれている。
【日 程】 1993年7月15日
【山 域】 大峰山脈・吉野川水系・上多古川 勝負塚山(1,245.8)
【ルート 】 上多古川→大栃谷→勝負塚山→イツボ谷→上多古川
【メンバー】 MOGU、山太
【行 程】 大栃谷入渓09:00→勝負塚山16:00→イツボ谷出合19:00
なんやかんやしていて歩き出したのは9:00 ちょっと遅かったなあ〜。
大栃谷の出合は滝から始まる、左岸のガレを登りやっと大栃谷へ入る、直ぐに10m
程の2条に別れた滝、右の滝をシャワークライムで登る。気持ちイイ!。
さあ次の滝はでっかい、上が30m 下が20m の二段の滝、こりゃただ眺めるのみ、右岸を巻き上下の滝の真ん中に出る、今度は左岸を巻く、その上はまた滝。
次は右岸を巻いて、次は左岸を巻いて・・・・。ええい面倒だ。
とにかく滝、滝、滝、の連続、その滝がどれもこれもどうして登ろうかなあ〜、なんて考える滝じゃなくって、とうてい登れそうもない滝の連続だ。
沢はただ横切るだけ、高巻きばっか!でした。
15m の滝、これなら越えられるだろうと、確保してMOGUさん取り付く、最後の水の落ち口でホールドが無いらしく、ハーケンを1本打つ、水量が多く水の中にあるホールドが見えないらしい。残念、シュリンゲを残しあきらめる。
また、滝、滝、滝、滝、滝、滝。沢の報告として、こんなんでええんかなあ、えらい手抜きです。
昼はソーメンをすする、うまいけど、沢の水があんまり冷たく無いなあ〜。
昼食後、やっと沢らしい所が出てきた。きれいなナメの小滝の連続、でも結構ヌルヌルした岩だ。途中1ヶ所“人工ホールド”?でクリア。MOGUさんの足を山太が手で押さえて滝を乗り越す。
970m地点の大きな出合で右の本流を登る、出合からも見える格好ええ40m 程の滝、手前の15m
の滝は難なく越せたが、この滝はどうもやっかいだ。巻けそうな所が見あたらない。
右岸に15m 程のルンゼを見つけこれに取り付く、MOGUさん一枚ハーケンを打ち、ビレイして休憩に下りてくる。その上に残置を一つ見つけ、どうやらここを登るんだと確信する。でもちょっと手強そう、いったんザックを置いて空身でもう一度トライ!。でもその上にルートを伸ばすことが出来ない。
今度は山太と交代、MOGUさんの手の届かない所にもう1ヶ所残置発見。辛うじてビレイ出来た!やれやれ。ホールドがしっかりしているので、腕力だけで恐いなあ恐いなあ、と思いながらセリ上がっていく。
残置から、3mほど上がったので、ここらでビレイを・・・と思っているのだがハーケンを打てそうな所もない。ここからズルッといけばヤバイなあ、なんて思いながらもうちょいの所まで登ってしまった。
後一歩と言うところで、ホールドがない。ちょっと上に木が出てきたのでシュリンゲを投げてカラビナをかける、頭上にビレイが出来て一安心。この時思わず「やった!やった!。」と叫んでしまった。
見通しの良いところに移動して、立木を利用して確保。まずザックを二つ吊り上げ、木の枝に引っかけておく。
MOGUさんが登ってくるのを上で確保していると、ポキッツ!、コロコロ、コンコロリン!。
ああああ、ザックが落ちていくウ 〜。MOGUさんを確保しながらただただ見ているだけ。滝下の水際で止まっている。まずは見えるところに止まったのでホッとする。でもーでもーあれをもう一度登り直さねば〜。MOGUさんちょっと苦労して到着。
あーあ、と思いながら懸垂下降でもとの滝下へ、ザックは50m 程落ちて、下半分が水没していた。どうやら中の傷みもなくやれやれ。
もう一度ザックを引き上げてもらい、今度は確保があるので安心、でも先ほどの登りで、もう握力が全然無くなっている。何度も何度もザイルに頼りながら、やっこらさ登り切る。きつかったー!。時間は15:00
えらい時間を食ってしまった。
1,050m地点、地図で見る最後のゴルジュ帯は、シャワーのように散らばった30m
の滝。ぐるっと囲まれた屏風のような壁はどうしょうもない。左岸の草付きからやっと隣の勝負塚山に突き上げている枝谷へ。その谷も左右の壁に囲まれて本流に帰れない、そのまま薮を漕いで頂上へ。その頃、空が暗くなりポツリポツリと雨が〜。でもすぐやんだので良かった良かった。
16:00 まっすぐに頂上へたどり着いた。結構時間がかかったなあ。
勝負塚山()1,245.8 潅木の中で殆ど見晴らしがない、かろうじて木に登り山上ヶ岳を見れば雲の中だった。
時間が無いのですぐ下る。適当に薮を漕いでイツボ谷へ、この斜面は植林の手入れが行き届き結構歩きやすい。尾根の頭で1ヶ所スラブに遭遇、ちょうどザイルでワンピッチ22.5m
の懸垂下降。
植林の仕事道がだんだんハッキリしてきて、本流の左岸に続いていた。
標高590mの出合で道は右岸へ、「あれ?、わしの記憶ではずっと左岸だったような。っまいいか!。」なんてMOGUさんブツブツ。
谷を渡って直ぐ「おい!、カモシカ!。」しばしこちらを見ていたが、直ぐに立ち去ってしまった。少し小振りのカモシカだった。
道は結構荒れて、木橋が殆ど朽ちているし、草もおおいかぶさっている。
今年はまだ仕事をしに入っていないんだろうか、なんて思って歩いていると、対岸に立派な橋が見えた。
やっぱりMOGUさんの記憶は正しかったんだ。そしたらこの道は降りれるんだろうか、今から引き返していたら日没には間に合わない。ちょっと不安になった。でも、この道も出合に通じていてほっとする。
19:00 上多古川出合に出る。やれやれ明るい内に下山できた。車を止めている所まで戻り、着替えているうちに真っ暗になってしまった。
今回は山太の大好きな山行でした。山太は道のない山が好き、その手段として沢を使うのが好き。
MOGUさんは、根っからの沢ヤさん。頂上などどうでも良いのです。二人が満足出来る山と沢、と言うことで今回の山行が決まりました。
良かったですよね、ね、MOGUさん。
〇~~/\/\~~/\~~ 《 山太 (Santa!) (snt) 》
